■プロフィール

げろんと

Author:げろんと
げろんと医院へようこそ。

このブログに記載された文章や写真の転用はご遠慮ください。

■最新記事
■皆様のコメント
■最新トラックバック

■月別アーカイブ
■カテゴリ
■ブロとも一覧

■メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

■検索フォーム

■RSSリンクの表示
■リンク
■ブロとも申請フォーム
■QRコード

QRコード

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
独逸の心理セラピスト
独逸に来てから、専門が教育学だったこともあり、実習などで心理セラピストにつくことが時々ありました。
いろいろな方がいるので、なんともいえませんが、例外を除き、心理セラピーを「医療行為」として行うことができるのは、心理学を大学で専攻した者か、医師です。
彼ら(彼女たち)は、専門のセラピスト養成に必要な教育を受け、試験を受けた上で、初めてセラピストとして医療行為を行うことが出来るのです。

医学を学ぶのが、難関を乗り越えた人々で、大学教育もかなり厳しいというのは、誰でも想像がつくと思います。
それと同様に、心理学というのも、大学入学資格取得試験アビトゥアーAbiturで、かなりの好成績を収めなければ、すぐには入学許可が下りない科目です。入学許可を貰うまで、何年も待たされる場合があるそうです。
先に、「医療関係の職業教育を受ける」とか、「病院などで現場実習をする」ことによって、入学許可をもらうための待ち時間が短縮されるというウワサを聞いたことがあるのですが、何しろ、そういう難関には挑戦しないのがワタクシげろんとですので・・・。


私の知っているセラピスト(心理学専攻)でも、時々、信じられない人がいます。

まず一人目。
彼女自身、とても頭の良い人で、知識も豊富。
大学の研究分野に残りたかったけれど、「生活が安定するから、偶々見つけた、老人リハビリ病院でのポストで働いている」のです。
まず、患者さん(や同僚)相手に、難しい心理学・統計学の専門用語を連発。
同席している私でも肌で感じるくらい、患者さんとの間に「深い溝」が出来ているのに、本人だけが感じていないのです。2回目からは、治療や認知テストを「体調が悪い」と拒否したり、治療には現れても、会話の途中で車椅子を机から少しずつ後ずさりさせて、遠ざかるような行動を見せる患者さんもいます。
彼女が好きなのは、経済力があり頭が良い患者さんだったり、彼女が得意とする「認知テストとトレーニング」に積極的な姿勢を見せる患者さんたち。

私は、実習生として、患者さんを病棟に送り届ける役目を担ったのですが、心理セラピー室から遠ざかるにつれて、患者さんのこわばった表情が和らいでいくのが手に取るようにわかったものです。



もう一人目は、医師として心理セラピーを行うセラピスト。
彼女は、フロイト系心理分析を中心としたセラピーに、催眠療法や認知行動療法を取り入れているという印象を受けます。
とても経験豊かな方で、地元では名前を広く知られている方だと思うのです。
が、患者に自分の価値観を押し付けているのではないかと感じることが、多々ありまして・・・。
彼女の価値観というのは、独逸では「自立した女性」として受け入れられても、他の文化では「正しい女性のあり方でない」と取られるかもしれない場合もあるわけです。
自分とは別の文化・社会の中で、生まれ育った人が独逸で暮らすようになって、様々なストレスからセラピーを必要としているのだと思うのですが、患者の価値観を根本から変えてしまうことに、意味があるのでしょうか。
勿論、様々なしがらみから解き放たれることによって、ストレスからも解き放たれることもあるのでしょうが、だからこそ起こる新たな紛争だって存在するのです。

このあたり、「ムスリムの女性のスカーフを学校など公共の場で禁止するか否かの論争」にも共通してくるのですが・・・。 
あるムスリマがテレビで討論してまして・・・。
「スカーフを身に着けないことを強制され、それを守ってスカーフなしで学校に行くと、それで家から出してもらえなくなったり、親戚から殴られて大怪我をする若い女性がいることを忘れて欲しくない」
という趣旨の発言をしていたのです。

そんなわけで、自分の価値観の上での「心の開放」を押し付けたところで、その患者が置かれた環境を理解しなければ、結局はセラピーによって更なるストレスを生むことにもなりかねないのではないかと思うのです。


独逸では、残念ながら、まだまだ「異文化で暮らす患者のための心理セラピー」を専門的に扱えるセラピストが少ないのです。いや、フランクフルトにいるのですが、確かプライベート保険患者か、自費のみなんですね。
セラピストのためのセミナーも開きますが、真面目にコツコツお仕事しているセラピストが払える額じゃなかったと思います。
勿論、トルコ系専門とか、ルーマニア語を母国語とするセラピスト・・・などはいますが、「異文化における摩擦」について詳しいかどうかは、別ではないかと思います。


アメリカの精神分析を行う精神科医(本人は、インドからの移民)Salman Akhtarは、Immigration and Identityという本の中で、移民とその子孫たち(受入国で生まれている場合も含みます)が持つ、アイデンティティ喪失の問題について考察しつつ、そのような患者のセラピー法も紹介しています。
さすが移民の国・アメリカですね。

独逸でも、このようなテーマの本が出ていますが、何故だか「トルコ系」など特定の患者さんに的を絞っている場合が多くて、在独外国人の中でもマイノリティーであるげろんとには、不満が残ります。
トルコ系・ムスリム系だけでなく、移民の多くが心の底で持っている傷(本人ですら気がついていない場合もあるのです)について、もっとクローズアップしてくれるセラピストが増えていくといいなあと感じています。


にほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ
にほんブログ村

今日も↑↑クリックお願いします。
え、今日はちょっと真面目だった?? たまにはねえ・・・。


スポンサーサイト
げろんとのつぶやき | 20:08:00 | トラックバック(0) | コメント(4)
次のページ

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。