■プロフィール

げろんと

Author:げろんと
げろんと医院へようこそ。

このブログに記載された文章や写真の転用はご遠慮ください。

■最新記事
■皆様のコメント
■最新トラックバック

■月別アーカイブ
■カテゴリ
■ブロとも一覧

■メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

■検索フォーム

■RSSリンクの表示
■リンク
■ブロとも申請フォーム
■QRコード

QRコード

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
宗教観
独逸では、一応、信教の自由が保障されております。
しかし、この国では休日もキリスト教関係の休日が多く、政党も「キリスト教」を政党名にあげることがまかり通るなど、やはりキリスト教徒中心に社会システムが回っている気がします。キリスト教民主同盟CDUや、キリスト教社会同盟CSU(バイエルン州のみ)なんてのがありますもんね。

でも、逆に、イスラム教徒が「イスラム民主党」なんてのを作ったら、「テロリスト政党誕生」とかいって、大騒ぎになるんでしょうね。


さてさて、前回の日記でも予告いたしましたが、今回は「宗教観」で嫌な思いをしたことでも書きましょう。


げろんとは、独逸に住み始めてもうすぐ7年たちますが、3回も引越しをしました。
ろん夫があちこちと転職したためです。

で、この引越しのたびに大変な思いをしたのが、ホームドクター探しと婦人科探し。

ろん夫は、しばらくの間会社勤めをしていましたので、ホームドクターとして処方箋を出したり、専門医への紹介状を出すことはできませんでした。おまけに、紹介状があっても、婦人科に「一見さん」が予約を入れることは至難の業。
どこへ電話をかけても、「うちは新しい患者さんは受け付けませんので」と門前払いされたり、「予約は3~4ヵ月後です」と断られたわけじゃないけど、急の病気には役に立たないお返事をいただきます。

げろんとは、引っ越してもW市大学病院婦人科の特別外来でお世話になる必要があったので、引っ越して最初の一年は、住んでいたN市の開業医さんでとりあえず紹介状だけ出してもらいました。
N市は、過去への反省からか、非常に国際色豊かで、移民との共存を図るプロジェクトなどが活発な町です。
移民との共存という点に関しては、伝統的なバイエルン州における最大かつ最良のモデル都市ともいえます。
そんなわけで、何の問題もなく外国人として暮らしました。

次に住んだSP市は、人口5万人くらいのこじんまりとした、カトリック色の強い町。
周りには、いくつかの大企業があることもあり、住人は国際色豊か。
しかし、中には、とんでもない「宗教くさい」人もいるのです。

引っ越して2ヶ月。
どうしても、大学病院への紹介状が必要だったので、当時住んでいたアパートから一番近い一般医に電話をかけ、出かけていきました。
初診ということもあり、医師と話すように受付で指示されたので、言われたとおり待ちました。

待つこと30分。
この女医さんは、根掘り葉掘り、どんな治療をするのか知りたがる(当然といえば当然だけど)ので、詳しく話しました。
すると、いきなり、
「私はね、子供が3人いるの。2人は医者で、1人は弁護士。仕事をしながら立派に育てたのよ。」
と唐突に言い出します。

で、なんと答えてよいのかわからず、
「医者という責任あるお仕事と子育ての両立、大変でしたでしょうね。」
と差しさわりのない相槌を打ったのです、

すると、何か気に障ったのか、すごい剣幕で、
「あなたに、子育てをするってことが本当にわかるのかしら?
大体ね、あなたが受けようとしている治療の意味を理解しているの?
いきなり始めてきた人に紹介状を出せって言われて、はいどうぞって出すことのできる治療じゃないのよ。
それに、その治療は、
私の信仰心に反する治療だわ。」

とまくし立てたのです。


あのね、駆け出しの医者であるけど、一応、この女医さんと同業者であるろん夫と話し合ったうえで、決定した治療。
それに、「信仰心に反する治療」って何よ???
自分の信仰心を患者に押し付けるなんて、経験をつんだ医者のすることじゃない。

初対面といっても、病気じゃなきゃ医者には行かないわけだから、引っ越して2ヶ月で、医者と初対面なのは、30代の女性としては珍しくもない。
げろんとは、悔しかったけれど、顔色一つ変えず、
「初対面だからって、紹介状を出すことを拒否をするなら、引っ越したばかりの私は、どこで紹介状をいただけばよいのですか? 医師会に電話をして事情を話して、教えていただきます。」と半ば脅しをかけて、引き下がりました。

すると、彼女は
「じゃあ、一般的に婦人科ってことで、紹介状をあげるわ。そこで、再び特別外来への紹介状をもらいなさい。」
と婦人科への紹介状を出しました。(脅し作戦、大成功!!)
でもね、婦人科って、どこも予約が取れないのです。
ただ大学病院への紹介状が必要なだけと説明しても、「新しい(公的保険)患者は受け付けない」の一点張り。



自分の宗教観を押し付けた上に、役に立たない紹介状を出したあの女医さん。
当然ながら、二度と足を踏み入れませんでした。
偶然、その後通うことになった二番目に近いお医者さんは、30年間柔道をしていたとかで、日本ファン。
大切に扱っていただけました。


ところで、げろんとは、信仰心を否定したりはしません。

死期を迎えた患者さんが、信仰に助けられて自らの命の最後を受け入れていったり、つらいときの支えになったり、あるいは同じ信仰を持つ人々が、支えあったりするのは、すばらしいと思います。
しかし、こうやっていかにも「信心深い人間のふり」をして、自分の価値観を押し付けたり、他人を見下したりする人間は大嫌いです。

残念ながら、独逸では、そのような方々に出くわしてしまう確立が低くないなと、つくづく感じます。
多文化社会では、自らの価値観を大切にしながらも、違う価値観を理解する努力が必要なはず。
それを怠っているのは、移民だけでなく、先住の独逸人も同様なのでしょうか。

しかし、ちょっと脅しただけで妥協するなんて、いい年して情けない奴だ。


ちなみに、役に立たないと思った紹介状、大学病院の外来に事情を説明したら、「ほかの患者さんでも、婦人科とだけ書かれた紹介状を持ってくる人がいるのよ。受けている治療を他人に知られたくない人もいるから。」と受け入れてくれました。
で、当時、外来でお世話になっていた先生(大の日本ファン)に事情を話したら、
「こういう心の狭い奴が、人と接する仕事をするなんて許せない」と憤慨。

ちょっとだけ、心が晴れた瞬間でした。

ろん夫の患者さんには、イスラム教徒もたくさんいます。
すべてを相手が要求するとおりにはできないけれど、ろん夫父が長年実践してきた
「医療の前では、人間は平等だ」というポリシーを受け継いでいって欲しいものです。


にほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ
にほんブログ村

今日もお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
よろしければ、↑ポチッとお願いいたします。

スポンサーサイト
独逸医療制度 | 22:00:17 | トラックバック(0) | コメント(6)
次のページ

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。